言語空間研究所—Translation is art

Translation is an art

言語空間研究所は、翻訳を通したクリエイティヴ表現を志向するアーティストチームです。

私たちが目指すのは単なるtranslationではなく、transcreation

翻訳を通じて、オリジナルの文章に新しい生命を吹き込むのが、私たちの提供する翻訳ソリューションです。

国内外の翻訳家を中心に文学研究家、ライターやコピーライターと連携し、新しい言語芸術と言語空間を創出します。

Translators are artists of words

翻訳は単純に言語の置換作業ではなく、他言語へ組み替え、新しい価値を生み出すアート性が必要です。オリジナル文章のエッセンスを引き出し、背景・文脈・文化を踏まえて、最大限に他言語で表現し、読み手・聞き手へ瞬時に伝えるクリエイティヴィティを必要とする言語芸術です。

Translators are the messengers

右端に書き手、左端に読み手が存在するとしたら、その両者間を結ぶ橋を掛ける建設的で想像力を試される作業です。ただ、それだけでは両者間の距離を埋められない場合が多く、書き手のメッセージを伝えているように見える翻訳でも、読み手にとっては初見で書き手の意図が理解されていない事も多々あります。その為に、翻訳には、翻訳家がライターとして、ライティング技術とセンスまで必要とされるケースが大半を占めます。

さらに創造性を問われる領域やトピックであれば、翻訳後、原文の持つイメージやメッセージを的確に伝える為にクリエイティヴライティングを行います。

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言語空間の翻訳専門領域

PR and translation—関係性構築に貢献する翻訳

企業のグローバル化が進み、日系企業の海外進出が増えています。現地において新プロジェクト始める際のPRは、現地におけるローカリゼーションの視点が欠かせません。一方、外資系企業が日本に進出場合には、日本語オーディエンスにささるようなメッセージの書き方が必要になります。このように、それぞれのケースに必要な背景やローカリティーを汲み取った上で、翻訳しライティングをする必要があります。オーディエンス側へ理解されるよう踏み込んだ書き方で翻訳するPR視点の付加価値をプラスします。PR活動における発信サイドとステークホルダーとの関係性の構築に貢献する翻訳ソリューションが私たちの強みです。

Ads and translation—生粋ピュア翻訳クリエイターに寄り添う翻訳

言語空間研究所の専門領域である広告翻訳、特にキャッチコピー。キャッチコピーの書き手の意図を理解し、その感覚を壊さない状態で、最も自然で伝わる英語で創造表現する。

書き手の伝えようとしているエモーションを、余計なものを足す事もなく、引くこともなく、完璧な英語で再構成する。原作性原作者の意図するメッセージ・描く背景・ヴィジョン・温度感・質感を損ねない、リスペクトをする純粋でピュア翻訳。直訳でもなく、意訳でもない、原作者の意図を曲げないで、私たちは英語で表現します。

 

例えば:

 

1.「あったかい夜を、プリーズ」(糸井重里さんのサントリー・レッドのコピー)

プリーズはplease と既に英語で書かれていますが、書き手の感覚は英語で使うplease という温度感やエモーションではなく、give meにやや近い雰囲気ですが。“give me”は英語ネイティヴ的に不自然で、please=pleaseという置き換えは、書き手の意図を損ねてしまいます。日本語で書かれるキャッチコピーには英語も多く、その日本語の延長上で書かれたキャッチコピーを英語ネイティヴ的なキャッチコピーの書き方に昇華しつつ、何も足さず・引かず、クリエイターに寄り添って、英語にすることが、私たちの専門領域です。

(一般的な翻訳会社の英訳例)

Keep me warm on a cold night like tonight. 


(
私たちの英訳)

(a)A little something to take the chill off.

(b)Make mine a hot one.

(c)I’ll take it hot.

2.「告白しなかった恋は、どこへいくんだろう」 (吉岡虎太郎さんのコピー)

(一般的な翻訳会社の英訳例

What happens if you never confess your love?

(私達の英訳)

(a)Don’t wonder about what could have been.

(b)What happens to a love unrevealed?

(c)What fate awaits a love unspoken?

告白=confessionというワードチョイスがまず文脈に合いません。直訳・意訳でも、Aという日本語の単語に、Bという英語の単語を当てはめますが、この場合、confession という単語の持つ背景・ニュアンス、意味合いは、このキャッチコピーの意図・質感からすると、不適切なワードチョイスです。

英語圏でも、恋愛の場面において日本語の「告白」に相当する概念は存在しますが、異なった風に表現されるので、言葉を選ぶ時にその文脈・文化的背景も考慮に入れなければ、confessionと訳すと、罪を認める、(好ましくない・ネガティヴな)真実を明かす、などの「罪」にまつわる意味になってしまいます。好きな人に、「好き」、と告げる場面というのはもちろん英語圏でも非常に重要なシーンとして捉えられますが、そんな状況において、confessionという単語は、文字通りの「罪」も伴わなければ、使われることもありません。一般的にはtell him/her, ask him/her out, have a conversationなどと表現します。

私たちの英訳の方が、ワンセンテンスで短く、的確で、キャッチコピーの書き手の意図・エモーション・背景・ニュアンスも含めて伝えています。響きも、英文の流れも、英語のキャッチコピーも、全ての角度から見たときに、最も英語的に自然で、オーディエンスの記憶に残りやすい。そのため、結果として、英語オーディエンスにとって、キャッチコピーの英訳がグラフィックや映像の雰囲気と文脈とマッチしやすいのは明白です。

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We are the transporters of Japanese cultural treasures—翻訳を通した日本文学文化を継承し世界中へ届ける

文化遺産が日本で埋もれてしまう前に、英訳をして、世界中に届けていく—それも私たちの目指す大切な役割です。日本語を話す人口の減少に伴い、日本近現代文学を日本語で読む人の数も減少方向へと急速に向かっていっています。日本文学作品を英訳し、世界中の人々へ届け、文化を保存・継承していくのも翻訳にアート性と付加価値を吹き込むtranscreationを通して可能になります。言語空間研究所は、既存の枠組みにとらわれないスタイルで、日本近現代文学をdigital media上で、英訳版、対訳版(日本語の原文と英訳が対で表記されているもの)を更新していきます。

翻訳作品のリスト

坂口安吾「復員」

中島敦「文字禍」

折口信夫・釈迢空の「口ぶえ」

 

*現在、英訳中の作品

谷崎潤一郎「小さな王国」

中島敦「かめれおん日記」

坂口安吾「新日本地理」